今回、三菱 ekワゴンを他車との接触で左側面に車体がゆがむ程の損傷をつけてしまい、ご来店いただきました。
損傷は、フロントドア、リヤドア、ロッカーパネルに最初の衝撃があったようで、その部分に深い損傷があります。 その後リヤフェンダー、リヤバンパーへと続く損傷があります。
ドアは、前後ともに交換が必要で、リヤドアを支えているセンターピラーにも重大な破損が及んでいます。
ドアの下部にあたるロッカーパネルが特にひどくフロアー(車体の床部分)まで損傷が及んでいます。 ロッカーパネルは、切開してインナー(リインホースメント)とフロアの修正後、アウターパネル(表面部分)の、交換となります。
ホイルキャップの「割れ」とリヤバンパーのスリキズです。
今回最も深刻だったのが、センターピラーに車体内部に向かう大きな衝撃があったため、車全体がセンターピラー方向に引っ張られてしまい、写真のように強度に差のある箇所でそれぞれ折れが生じてしまっていました。
図のように、センターピラーとロッカーパネルの損傷がルーフとリヤフェンダーのインナーパネルへと波及しています。
作業は、各パーツをばらしていきます。
シートをはずしフロアの損傷を確認し、修理をしていきます。
車体をフレーム修正機に固定して、センターピラーを10tアームで任意の高さを、衝撃とは逆の方向に引いていきます。 センターピラーの損傷と、ルーフやリヤフェンダーに及んだ車体全体の歪みを解消していきます。
各パーツ間の寸法をミリ単位で再生していきます。 フレーム修正は、単に押された箇所を引っ張るだけでなく、モノコックボディーの衝撃吸収構造を理解し、今回のルーフのように「応力」の集中してしまう箇所を計算しながら作業できる熟練さが要求されます。
ルーフの折れは解消したので、パテ作業で平滑にしていきます。
フロアへの損傷を解消しています。
アウターパネルを切開しリインホースメント(丸い穴の開いている箇所)の修理を行います。
フロア、リインホースメントとも修理完了後、高張力鋼鈑対応のスポット溶接機で新品のロッカーパネルを貼り付けます。
塗装ブースにてドアに隠れる部分の塗装をします。
続いて外側の塗装を完成させます。
付属品を組み付けて修理完了です。 車体の寸法が完全に再生されているので、パネル同士のクリアランスも良く、事故以前の状態に戻りました。
室内クリーニングと洗車をして納車です。 修理期間は6日間かかりましたが、その間弊社の無料代車で過ごして頂きました。 このたびはエムワイオートをご利用いただきまして誠にありがとうございました。